• ホワイトニングとは

そもそも、ホワイトニングって何?

ホワイトニングとは・・・?

ホワイトニングの歴史・名前の由来

ホワイトニングは1989年からアメリカで開発された歯科治療の一つです。クリーニングで落ちるような歯の表面についたステインを落とすだけでなく、歯の中部にまで入ってしまった色素を分解し、脱色することで歯を白くしていくというものです。
これにより、それまでは歯を削ってセラミック(白い被せ物)を被せることでしか、歯を白くすることができなかったのですが、全く歯を削ったり傷つけたりすることなく、自分の歯を健康なままに残して、白くすることができるようになりました。
以前はホワイトニングのことを、歯の中の色素を抜くことから「ブリーチング」と呼んでいましたが、ブリーチというと、いかにも、強力な薬品を使って髪の毛や衣類を漂白することを連想させ、悪いイメージをもってしまうので、「ホワイトニング」という言葉が使用されるようになり、現在ではこれが一般的に定着していますよね。
しかし最近では、歯科医院だけでなく、エステサロンなどの手軽なホワイトニング店舗の増加により、本来は「脱色=漂泊」作用が必要な「ホワイトニング」も誤解され「歯の表面の汚れ落とし=クリーニング」までもが「ホワイトニング」と称されてしまっている事もあります

「脱色作用のある本来のホワイトニング」には大きくわけて、歯科医院で行うオフィスホワイトニング自宅で行うホームホワイトニングがあります。
オフィスホワイトニングは歯科医院のみで行える治療で、歯の表面の汚れを落とした後、高濃度のホワイトニング剤を歯の表面に塗ります。これにハロゲンライトやレーザー、LEDなどの光を当ててこのホワイトニング剤を活性化させ、歯の中にある色素を短時間で分解して脱色していきます。
ホームホワイトニングは、自分に合ったマウスピースを作って、自宅でその中にホワイトニング剤を入れて少しずつ白くします。
しかし、ホワイトニングの効果は個人差がかなりあります。元々歯の色が濃い人、子供のときの風邪薬の中の成分による副作用で歯の色が濃くなってしまった人、はホワイトニングの効果は低くなってしまいます。また、色が濃い食品を好む人や煙草をよく吸う人はホワイトニング後の再着色が早く起こり、色戻りも早まります。

どうして歯を白くできるの?~白くする原理~

ホワイトニングに使用する過酸化水素という成分は、歯の上に塗布し、酸化反応していくと、歯の中の着色成分である有機質を分解するので、着色成分を脱色する事が出来るのです。よく、白いペンキを歯の表面に塗るようなイメージをしている人もいますが、実際は、この「脱色=着色成分の無色化」により、歯の明るさを上げて白くする方法です。歯の明るさを上げて白くするので、かなり白くしても、よくいる芸能人の様に真っ白な、違和感のある色ではなく、自然な感じで白くなります。ホワイトニングは歯自体を溶かすわけではなく、脱色するだけなので、歯がもろくなったり、傷つけることはありません。さらにオフィスホワイトニングでは、この反応を活性化し促進させるために、光やレーザー、LEDなどを当てます。また最近では触媒として二酸化チタンなどの金属酸化物などを配合して、反応をさらに促進しています。

ホワイトニングの方法

1.ホワイトニングをする歯の表面(唇側)に、各種ホワイトニング剤を塗ります。(詰め物や被せ物の部分は外す事が多い)

2.特殊な光を当ることで、ホワイトニング剤を早く活性化し、反応させます。

3.歯の中に浸透していったホワイトニング剤が、歯の内部の色素を分解し、脱色します。

4.歯の中の着色成分である、色素が分解され、歯は透明感が上がり、明るく白くなります。

そのほかの作用

歯の着色を分解して白くするほかに、白く見えるための補助的なものとして以下のようなものがありますが、全て一時的なもので、すぐに効果はなくなるので、効果に騙されない様に気を付けましょう。

  • 主に、酸性の薬剤(ハイライト&ZOOMなど)により、
    歯の表面で起こる乱反射
    pHが酸性の薬剤は一時的に、歯の表面が溶け出して、歯の表面が荒れ、その上で光の乱反射により白く見えることがあります。しかしこの作用は、カルシウムが戻る約1時間程度で、元に戻ってしまいます。ホワイトニング直後だけ、白くなったと感じて後に後悔する事が多いです。
  • 歯の乾燥により、白っぽく見える
    歯の表面にはペリクルという、タンパク質でできた保護膜があります。ホワイトニング直後は、このペリクルがはがれてしまい、歯が乾燥した状態になるので、白っぽく見えています。この作用もペリクルがまた生成される24時間以内には、元に戻ります。

ホワイトニングは安全ですか?

場合によっては危険です!

ホワイトニングの研究は100年以上前から行われており、アメリカでは長年医療現場で実用化されていて、今ではアメリカではドラッグストアなどで普通に売られているくらい、当たり前になっています。日本では、薬事法の改正が遅いために、市販では一切ホワイトニングケア用品などは売られていないため、ホワイトニングを行っている医院で、毎日当たり前のように行われています。ホワイトニングに使用される薬剤は、アメリカでは食品医薬品局や日本の厚生労働省でも認可されていて、アメリカや日本でも数多くの大学や研究機関で、安全性が確認されています。基本的に、ホワイトニングの薬剤として、研究され、開発された既製品のホワイトニング薬剤は、歯を溶かしたり、もろくしたり、傷めたりすることは無く、安全に白くすることが出来ます。
しかし、近年「ポリリン酸ホワイトニング」「メタリン酸ホワイトニング」など、日本のみなのですが、第三のホワイトニングとして多くの店舗や医院で「かなり低価格で受けられるホワイトニング」が広まってきています。これは、実際は器具の消毒に使われる「消毒用」の薬液をポリリン酸やメタリン酸含有の「歯磨き粉」に混ぜ、独自にホワイトニング薬剤を作ってしまうという、「認可されていない」危険な薬剤を使用する方法になりますので、実際はトラブルが多く危険だと思われます。器具の消毒用の薬液は、「劇薬」として指定されており、独自に手を加えたとしても、ホワイトニング薬剤としては適さず、歯や人体へ使用する事は大変危険だと思われます。
是非、ホワイトニングを受ける際は「消毒用の劇薬の液体を独自調合して作った薬剤ではなく、既製品のホワイトニング剤を用いているか」を確認されることをおすすめします。

ジェルについて

ホワイトニングには通常、過酸化水素を使用して歯を白くします。過酸化水素は、消毒剤として一般的に使用されているのをはじめ、食品添加物にも使用されており、人体でも肝臓で1日に約6.5gの過酸化水素が作られています。またホームホワイトニングで使用されている過酸化尿素は、歯茎の治療薬としても使用されています。
ホワイトニング剤の中には、pHが低いものがあり、一時的に歯のカルシウムが溶け出す脱灰という現象を起こしますが、唾液の作用で1時間以内にはカルシウムが戻る「再石灰化」が起こることが分かっています。このリスクはコーラを飲んだ時と同程度です。
以前は酸を使用してホワイトニングを行っていた時代もありましたが、現在はほとんどの製品で酸を使用していません。

ライトについて

ホワイトニングには可視光線領域のライトやレーザー、LEDなどを使用します。中には近紫外線であるUVAを若干含んでいるものもありますが、紫外線そのものではありません。薬事法が厳しい日本や、訴訟大国のアメリカで認可されているシステムであれば、正しい使い方をしていればどれも安全性に問題はありません。

熱について

オフィスホワイトニングに使用する機械の中には、熱が出るものがあります。これはホワイトニング剤を活性化させるためにわざと熱を出しているのですが、温度が50度近くになることもあります。しかしCRAというアメリカの研究機関の報告では、お薬表面の温度は50度近くになっても、歯面の温度は体温にも満たないことが確認されています。この熱はお薬を活性化させるためだけのものですので、歯の神経には全く影響がありません。

歯のクリーニングとは違うのですか?

歯のクリーニングとは歯の表面についた色素(ステイン)を磨いて落とし元の歯の色に戻すことです。歯が黄色い人の中には、ヤニや茶渋などの色素で歯が黄色くなっていることがあり、歯のクリーニングだけでもかなり白くなることもあります。もし1年以内に歯のクリーニングを受けていなかったら、まずはクリーニングを試してみてください。ホワイトニングをするにもこのクリーニングは必要です。歯の表面に汚れや色素がついているとホワイトニング剤の成分がこの汚れに吸収されてしまい、効果が半減してしまいます。歯を白くする第一歩は歯のクリーニングです。歯のホワイトニングは、歯の表面の色素を落とすクリーニングと違い、歯自体の色を白くします。